牡蠣の養殖に餌は必要ない!?

牡蠣の養殖は、魚の養殖のようにを与える必要はありません。

では牡蠣は何を食べて成長していくのでしょうか?牡蠣が餌としてるものとはいったい何なのでしょうか?それとも勝手に海水から養分を吸収したりしているのでしょうか?

今回は、牡蠣の養殖に欠かすことの出来ない牡蠣の餌について述べていきます!

 

牡蠣の餌は植物プランクトン

kaki

牡蠣は海中にある植物プランクトンを餌として摂取して成長していきます。牡蠣の養殖では、魚の養殖のように直接餌をあげたりはしませんが、たくさんの植物プランクトンを取り込むことができるようにさまざまな工夫をしています。

まず、場所です。牡蠣の餌になる植物プランクトンが多く湧く場所が養殖に適しています。植物プランクトンの生産量は、海流や河川からの栄養の供給に依存します。なので、穏やかな湾内で綺麗な河川の真水が流れ込み、適度に潮の流れがあり海水温が高くなりすぎない場所が最も適しているといえるでしょう。

ただし、海水の透明度が高い場所だと牡蠣の成長スピードは遅くなってしまいます。その理由は植物プランクトンの餌となるバクテリアが湧きにくいことがあげられます。海水が綺麗ということは植物プランクトンが少ないということなので、牡蠣の養殖にはあまり適していません。バクテリアは汚いものを分解してくれることで知られています。なので多少汚れた海水の方がバクテリアが湧きやすく、必然的にそれを餌にする植物プランクトンも多く集まることになります。また、川から流れ込んでくる淡水には、植物プランクトンを増殖させる窒素やリンなどの栄養塩がたくさん含まれています。つまり、多くの河川から淡水が流れ込んできて、なおかつバクテリアが多く湧いてくるような環境が牡蠣の養殖には最も適しているのです。

 

昔は人糞を牡蠣の餌にしていた!?

正直、これは噂の域をでない話ですが。戦前、牡蠣の名産地広島では野菜畑と同じように、しもごえ(人糞)を日常的に撒いていたそうです。栄養分の少ない海域では人糞の供給が適しているにというのは考えられない話ではないですが、実際はどうだったのでしょうか。牡蠣の養殖に人糞が使われていると新聞で報じられて以降、使われなくなったそうですが。

今では、もちろん意図的に人糞を撒くということはありませんが、加熱用の牡蠣は生活排水が流れ込む水域で育っているものもあります。生活排水が流れ込むというと汚いイメージが浮かぶかもしれませんが、これはつまりバクテリアが湧きやすい環境であるといえます。バクテリアが汚いものを分解し、そのバクテリアを餌とする植物プランクトンを牡蠣が餌とするのです。これが加熱用の牡蠣の方が生食用の牡蠣よりも栄養価が高いといわれる所以でもありますね。もちろん、生産者の方々は独自の衛生基準を設けたりするなど、さまざまな食品衛生上の対策をされていて、我々が食べている牡蠣は安全性に優れているので、安心して食べていいでしょう。

 

牡蠣養殖の流れ

養殖されている牡蠣の餌が植物プランクトンと分かったところで、では牡蠣は実際にどのように養殖されているのでしょうか?

現在、最もポピュラーな牡蠣養殖の方法は「筏式垂下養殖法」という方法です。この方法ではまず採苗を行います。牡蠣の放卵時期である6月頃から9月頃にかけてホタテの貝殻を海中に吊るし、浮遊しているカキの幼生を付着させます。牡蠣の養殖は餌を与えるということがありませんが、潮の干満の差を利用して空気中に稚貝をさらしたりします。空気中にさらされているとき、牡蠣は餌となる植物プランクトンを摂取することができません。そうすることによって、かえって餌を盛んに摂取するようになります。この空気中にさらす行為を抑制といいます。その後通し替えをし、成長に合わせて、干潟から海岸へと移して筏から吊るし育成していきます。牡蠣の餌となる植物プランクトンは、一般的に日光のあたる海面に多く存在します。その一方で、海面近くでは牡蠣殻の表面にさまざまな生物が付着しやすくなります。逆に、水深が深くなるほど付着する生物はいなくなりますが、その分植物プランクトンも少なくなります。水深を深くして、成長を遅らせることで生産調整にもつながるので、吊るす深さを調整しながら1年近く育てていきます。その後、ホタテの貝殻から外して籠に入れ、また1カ月ほど育てて収穫されます。収穫された牡蠣は殻についたヘドロ等を洗い流し、大きさを選別され減菌させる水槽へ一昼夜入れます。そして、打ち娘さんによって殻をむき、むき身になっていくのです。

牡蠣養殖と魚の養殖の違い

一般的に、養殖とは「生き物を人間が管理し、人工的に育てていく事」であると思います。近年、養殖の技術は大きく進歩して多くの魚介類が季節を問わず食べられる時代になってきました。しかし、養殖魚と養殖牡蠣には大きな違いがあります。

その違いとは、人工的な餌を与えて育てているか、自然の餌で育てているかです。前述した通り、牡蠣は植物プランクトンを餌としているので後者に当てはまります。魚の場合はほとんどが人工的な餌を与えて育てていますよね。また、牡蠣は養殖する環境や養殖のやり方によって大きく味や栄養価も変わってきます。生牡蠣用の牡蠣は、やはり一番に安全性が求められてくるので栄養価は加熱用に比べると劣ります。一方、加熱用の牡蠣はより植物プランクトンの豊富な環境で育てられているので栄養価は高いです。しかし、あくまでも加熱用なので絶対に生で食べるのは避けましょう。

 

まとめ

今回の記事では、養殖牡蠣の餌について述べてきました。

牡蠣の養殖に人工的な餌は必要なく、牡蠣は植物プランクトンを餌にして育っているということが分かったとおもいます。

海中の中の汚いものをバクテリアが分解し、植物プランクトンはそのバクテリアを餌にし、牡蠣はその植物プランクトンを餌とします。そして、我々人間が牡蠣を食べるのです。まさに食物連鎖ですね。

みなさんもぜひこの食物連鎖に感謝し、牡蠣を食べてみてください!

こちらの記事も合わせてどうぞ!⇒なぜ牡蠣の養殖にはホタテの貝殻を使うのか?

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